バドミントンラケット1本でブルネイ王国をさすらう日本人プレイヤーカワヒロは、7月29日、ブルネイ王国19箇所目の道場破りを決行した。
事前の取材にカワヒロは、「今回道場破りを決行する場所は、メンテュリ公民館、村の公民館だ。この公民館には野武士のようなプレイヤーがたくさん集まってくるらしい。今から血が騒ぐ」と応えていた。
村の公民館に集まるこの村の名プレイヤー達。カワヒロをみて、お前はどこの者かと。
まずは中級レベルとの対戦でカワヒロの腕が試された。
この村では、コート横に子供達が一列に座り、シニアのプレイをみて技術を学んだりしている。次々とコートに集まってくる選手達が「あいつは誰だ」と見たこともない日本人プレイヤーに注目した。
テスト戦で相手を子供扱いにしたカワヒロに、「おい、ジャプン、次は俺らとやるぞ、いいな」とボスがカワヒロに対戦を要求した。
1セットをボスが勝利、2セット目をカワヒロが勝利、もつれた3セット目をボスが執念の勝利。村の子供達は、日本人を撃破した村の英雄の勝利に沸いた。
カワヒロは、「普通は道場破り一発目ではなかなかボスはでてこない。この日本人を逃がすまいと思って立ち上がったのだろう」「全力でぶるかるスポーツの場合、試合後にすべての緊張がとけて、組した相手と一気に親睦が深まる」
道場破りモードから抜けた日本人プレイヤーはまた村の皆から次はいつくるのかと歓迎を受けていた。そう、今日も河の風がそよそよと吹く中で。