ブルネイ国内最大数のバドミントン・上級プレイヤーが所属するチームAtihirahの総帥、ペンギラン・アナック・ムタシル氏(国王義弟、過日紹介のペンギラン・アナック・ラヒム氏の兄)が11月25日、この世を去った。
バドミントンを愛し、自らの宮殿にバドミントンコートを建設、チームアティラという名でナショナルプレイヤーを含む多くの上級プレイヤーを集め、コートを開放、アセアン大会では個人戦でメダリストを輩出するなど、総帥が果たした貢献は数限りない、とプレイヤーたちは悲しみに暮れている。
この世を去る前夜、最後のお相手を務めた日本人プレイヤー・カワヒロは、「いつになく遅くまでコートに残っていたので自分とやりたいのかな、と感じた。何回か羽を上げただけで今日はとくに調子がいいと感じたので、どうしてかと聞くとイギリスでプロコーチの特訓を受けていたと得意のジョークで身心ともに乗っているように見えた。それがまさかこんな形で...」
「試合が終わった後は、故人と長い間雑談をするのが日課となっていたが、その日はプレイヤー全員がコートから去ってもしばらく話に花が咲いた。」「目を瞑れば今でも兄貴の声が聞こえてくる。最後、別れ際に約束したこともあったので、果たせず本当に残念でならない...」と肩を落とした。
葬儀にはボルキア国王、プリンス・ジェフリ、プリンス・スフリなどが立ち会った。家族、親戚に弔われ、家を出るペンギラン・アナック・ムタシル氏。
さようなら、ブルネイバドミントン界の総帥。
そう、今日も河の風がそよそよと吹く中で。